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友人の紹介だし

  • 執筆者の写真: 洪均 梁
    洪均 梁
  • 7月7日
  • 読了時間: 6分

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 散々迷ってるけど、もう別れるしかないみたい。ちょっと敷居が高いけど、弁護士に相談しなきゃ。でも、弁護士なんて知らないし・・・。どうやって探せばいいんだろ?

 

 これを読んでいるあなた、知っている弁護士いないから、このホームページのこの記事読んでますよね。

 

 前に、ネットで探すと危険な場合があることを説明しました。では、弁護士を知っている友人から紹介を受けるという方法はいかがでしょうか。

 弁護士としても、確かに人から紹介を受ければ安心して受任できますし、親しい人から紹介を受ければ、万事遺漏のないようにと心するでしょう。ネットで探すよりはましだと思います。

 ただ、これで離婚事件が得意な弁護士に巡り会えるとは限りません。

 

 離婚した経験のある友人がいるとします。その友人がとてもよい弁護士だからと言って紹介してくれたのであれば、かなり有望でしょう。

 

 でも、友人がビジネス上のトラブルについて弁護士に処理を依頼して、うまくいったことがあるとします。その結果に満足しているので「めっちゃいい弁護士だから、自信を持って紹介できる。」と言ったときに、その弁護士が離婚事件の処理についても高い能力を持っているかというのはわかりません。

 特にビジネス上のトラブルばかり処理している弁護士だと、離婚事件の処理についてはほとんど経験がないといったこともあります。私が知っているビジネス系の大手法律事務所の弁護士は、離婚事件の処理はしません。手広くやっている事務所ですから、離婚事件の相談も来るようですが、知っている弁護士を紹介しています。自分はしないし、その事務所全体としても受けないようです。その弁護士はたいへん優秀な弁護士で、硬派のマスコミにもしばしば名前が出てきますが、優秀なだけに慣れていない事件に手を出すことの怖さがわかるのでしょう。餅は餅屋というところですかね。もっとも超多忙な弁護士ですので、専門外のことまでやってられないということなんでしょうけど。

 

 このような例外的な人もいますが、知人からお客様を紹介された場合に、自分は離婚は得意ではないから・・・ちょっと待ってくださいね。この言い方ってすごいかもしれません。「離婚が得意な弁護士」っていうと、5回ぐらいは離婚した弁護士といった感じですかね。その上で慰謝料なんか払ったことがないというのであれば、確かに「離婚が得意な弁護士」ということになりますよね。

 

 横道にそれました。「自分は離婚は得意ではありません。他の弁護士を探した方がよろしいでしょう。」なんていう弁護士はあまりいないのではないかと思います。

 ひとつには、せっかく自分の事務所に来てくれたお客様ですから、ぜひ事件処理を任せてほしいと思うのでしょう。ただ、それ以上に、普通の弁護士の多くは離婚事件の処理は簡単だと思い、これまでにしたことがなくても、本読んだり、先輩弁護士に教えてもらったりして処理できると思ってるはずです。

 確かに、あまり経験がない種類の事件を受任した場合、一生懸命勉強して処理する弁護士はいます。しかし、法律の専門書やマニュアルは、本当に知りたいことは書いてないことが多いようです。普通の弁護士であれば、知っていること程度は書いてあるのですが、少しつっこんだことになると書いてないことがしばしばあります。

 

 たとえば、不倫により別居したような場合に、不倫した方から離婚の訴えを起こしても、なかなか離婚は認められません。業界では「有責配偶者からの離婚請求」と呼ばれるケースです。最高裁判所がこのようなケースでは別居期間が同居期間に比べ、「相当の長期間」に及ばないと離婚させてやんないよと言っています。「相当の長期間」別居していれば離婚させてやるというのではなくて、少なくともそれぐらいの別居が必要だということです。

 さて、そこで質問です。「相当の長期間」って何年でしょう。5年?7年?10年?

 そもそもこれは何年といって区切れるような問題ではありません。最高裁も同居期間に比べ「相当の長期間」だと言っています。同居期間が1年で別居期間が5年だとかなり長い別居だということになるでしょうか。でも、同居期間が30年だったらどうでしょうか。

 

 この期間については10年程度が目安だと見られていると書いてある親族法の教科書もあります。でも、離婚についてもっと突っ込んだことが書かれてある離婚の専門書にもこの期間についてはこの程度の明言もされていない本もあります。5年程度でも離婚が認められるはずだと言っていた弁護士もいました。有責配偶者からの離婚請求であるかどうかは別として、性格の不一致が原因の別居だと5年程度は別居していないと離婚請求は認められません。その問題とごっちゃにしているように見えなくもありません。

 結局、同居期間との対比なので、ケース・バイ・ケースと言うしかなく、何年以上というようにはっきり区切れるものではないということでしょう。

 いずれにせよ、本を読んでも、先輩弁護士に聞いても、わからないことはあります。

 

 ここでものを言うのは経験です。多くの離婚事件を処理していれば、その経験から事件処理の結果がある程度見通せるようになります。細かな知識も身についてきます。

 

 離婚事件の処理は、それはそれで細かな知識や見通しが必要になることがあります。どんな弁護士でも簡単にできるというようなものではないと私は思っています。

 実際、他の弁護士に処理を依頼していたが、私に乗り換えたお客様もいらっしゃいます。話を聞いていると、前任者は経験が乏しくて、お客様はその弁護士に任せ続けることに不安を覚えたようです。たとえば、慰謝料の請求金額を尋ねても「どうしましょうかねぇ。どうしましょうかねぇ。」とおっしゃるだけで、具体的な金額を提案してくれないということでした。

 30年ほども前のこと、私が弁護士になったときに、先輩が「依頼者と共に悩むのがよい弁護士だ。」とかおっしゃっていました。でも、それはこんな悩み方ではないでしょう。先輩弁護士がおっしゃったのは、むずかしい事件で、依頼者の目指す目的を達成するにはどうしたらよいかを共に悩むという意味だったはずです。

 結局、前任者は私からすれば考えられないような低い金額を提案したということでした。

 そのお客様は前任者はがんばってくれていたとおっしゃってましたが・・・

 

 知人や友人から弁護士の紹介を受けるときには、事前に、その弁護士がどの程度、離婚事件を処理したことがあるのか尋ねてみておいた方がよいかと思います。そこで、「知らない。」とか、「あんま、やんないようね。」なんてことになれば、とりあえずは紹介してもらうか、別の方法で探すかを考えた方がいいでしょうね。もちろん、紹介してもらって、直接、尋ねてみるいうのもひとつの方法かと思います。

 これは私だけの考え方ですが、弁護士を何年やってるか聞いてみて、それと同じぐらいの件数の離婚事件を処理してあれば、とりあえずの経験ありといってもよいのではないかと思います。

 

 皆様が有能な弁護士に事件処理を依頼され、できるだけよい条件で、よい結果に至ることをお祈りしています。もっとも、私のお客様の相手方でなければということになりますが・・・





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