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あのスターが離婚!慰謝料3000万円!大部分は財産分与です。

更新日:2022年9月20日



財産分与

 


 あのスターが離婚!慰謝料3000万円!やっぱスターさんは違うなぁ・・・

違います。慰謝料が3000万円ももらえることはまずありません。

 なんて、文章を「慰謝料」のページに書きました。

 それではなにが3000万円にもなるのかと言うと、大部分は財産分与です。


 離婚するときにもらえるお金について、週刊誌なんかが「慰謝料」と書くことがよくあります。でも、離婚するときにもらえるのは大きくは「離婚給付」なんて言います。

 離婚給付はさらに、財産分与、慰謝料と養育費とかに区別することができます。


 養育費は言うまでもありませんね。子どもを養育するため費用として、現実にそだてていない方の親が支払うお金です

 慰謝料というのは、夫婦としての関係を壊した方が、壊された方に支払うお金です。壊された方は心に傷を負います。それを埋め合わせるためのお金です。お金をもらえば心の傷がなくなるというものではありませんが、少しは気がすみます。


 財産分与は、夫婦が持っている財産を足して2で割り、出入りを調整するものです。

 たとえば専業主婦の奥様、会社員の旦那様、離婚するときに奥様名義の資産が200万円、旦那様の資産が2000万円あるとします。足して2200万円、2で割って1100万円、ここから奥様の資産たる200万円を引くと900万円。奥様は900万円ゲット!ってとこです。


 なんで財産分与しなければならないかというと、婚姻生活をしていた期間に増えた財産はそれが誰の名義であろうと、夫婦が共に努力して増やしたものだから、離婚するときにはそれを清算しなきゃねという考え方によります。



 このような考え方から、これから触れる問題については、こんな風に考えます。



○ 婚姻前から持っていた資産

 これは婚姻生活をしていた期間に増えたものではありません。ですから、これは分与される財産から除外されます。特有資産とか言われます。ただ、次に述べるように、それがそのまま認められるのはむしろ例外的な場合と言えるかもしれません。


○ 婚姻前に貯めていた預金

 結婚した日までに200万円貯めていました。その口座から、電気代、ガス代、水道代、スマホ代、それに子どもの塾代が落ちていました。旦那様の給料は旦那様の口座からそのままこの口座に移動させていました。自分のパート代もこの口座に預金していましたというような場合を考えます。別居したときにこの口座に300万円あったとして、「内金200万円は結婚前に貯めていたものだから、分与する財産じゃないでしょ。これは私がもらっていいはずだわ。」と言いたくなりますよね。

 さあ、そう言ったとして、裁判所でその主張が認められるかと言えば、なかなかむずかしいところです。結婚後にいろいろな預金がされ、いろいろな引落しだの引出しだのがされると、別居時の300万円の内、いくらが結婚前の預金で、いくらが結婚後の預金かわからなくなります。結婚前の200万円が残っているのか、新たな預金が残っているのかがわからないことから、裁判所が特有財産がいくら残っていると認定することがむずかしくなるので、この場合、別居時の300万円がすべて分与の前提となると思っておいた方がよいでしょう。

 区別ができないことが問題なのですから、結婚前の預金口座をそのまま持っていて、他の預金をせず、他の出金もしなかったような場合には、分与の対象からはずされる可能性があります。



 





○ 親からの贈与だの遺産だの

 親から贈られたものや遺産として相続したものは、夫婦が互いに協力して得たものではないので、財産分与の対象とはならないのが原則です。

 しかし、親からもらった現金を預金した口座を、これまでに書いたような生活のための支払いに使っていた場合、結婚前に貯めていた預金のように、いくらが贈られたもので、いくらがその後の預金かわからなくなります。それで分与される財産から除外されることになる危険があると思っておいた方がよいでしょう。

 たとえば土地や建物を相続して、それをそのまま持っていた場合には、区別の問題がないので、それはあなたの物、分与しろと言われることはないでしょう。


○ 分与の割合

 分与の割合は50%です。たとえば大学教授だの、税理士だの、公認会計士だの一揆宇建築士だのと言った専門的能力を持った人については、以前は多めにといったこともあったようですが、今では裁判所に行けば50%になると思っていただいて結構です。

 オレは毎日働いていた。あいつは家の中で家事をしてただけだと言ったって、50%です。前に家事や育児のための労働時間に政府が決める最低賃金をかけて、専業主婦が外で働いたとすれば年収はいくらぐらいかというシミュレーションを見たことがあります。男性の年収の平均を超えていましたね。男性諸君!奥様の家事についての年収は貴兄の年収より高いのですぞ。もしきちんと給料払っていたら、今ごろあなたはスッカラカン。半分払う方がまだましだと考えることもできるのでは?


○ 財産はいくらか。

 預金だの現金だのは計算は簡単です。2で割ればいいのですから。

 問題は土地・建物とか、株とか、いくらの価値があるのか、値段を決めないと半額にできません。それに価格が時期によって変わるので、どこの時点での価格で分与するか決める必要もあります。


 時期について先に説明すると、裁判所で審判だの判決だのをもらうことになれば、審判が下される一つ前の期日、または判決が言い渡される期日の一つ前の期日での価格になるのが通常です。

 ただ、調停ではそんなに厳密に考えずに、互いに時価を主張しあって、適当な価格とすることが多いようです。


 気になるお値段ですが、上場企業の株であれば、新聞の株式欄とかネットで検索してみて、時価に関する資料を手に入れることができます。

 上場していない会社であれば、とりあえずは税理士にでも頼んで試算してもらいます。ただ、色々計算の手法があるので、これしかないという値は出ません。互いに自分が適切だと思う価格を主張して、調停ではそのどこかで折り合ったりします。

 折り合えない場合はどうするかというと、鑑定に回すことになります。会計士に計算してもらうわけです。ただ、費用が100万以上もかかることがあります。互いの主張を戦わせてどこかで折り合った方が利口な場合も多々あります。


 土地・建物それにマンションのような不動産の場合は、業者に査定をお願いして、その結果出てきた時価額を主張することになります。でも、奥様と旦那様とが主張する金額があまりにかけ離れているときには、やはり鑑定ということになります。鑑定費用がかかるのは株式と同じですが、株価の算定よりは安いようです。



こんなふうにして、分与されるべき資産それぞれについての価格を決めて、全部たして、2で割った金額を出します。その上で、分与を請求した人が持っている資産を控除して分与の金額を決めます。


支払方法は、審判であれば一括。調停であれば、話し合いで決めます。


○ さて、財産分与に関するざっくりとした説明は以上のとおりです。ただ、家族の問題はいろいろな事情がからんできます。また、家族関係については、裁判所の裁量が大きいように感じます。これまでの説明がどんな場合にもあてはまるとはお考えにならないでください。

 より詳しい説明が必要でしたら、一度、ご来所されることをお勧めします。私のようなおっさんはともかく、事務員の笑顔がお待ちしています。




 

木村法律事務所 03-5524-1552

東京都中央区銀座1-5-7 アネックス2福神ビル5階



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