弁護士が仕事しているところってイメージできますか?
たぶん、ほとんどの人は裁判所の法廷で証人尋問をしていたり、裁判官になにかを主張しているところを想像するんじゃないかと思います。でも、少なくとも私の場合、裁判所にいる時間はそんなにありません。むしろ、事務所で打合せをしたり、書類を書いたりしている時間の方がはるかに長いでしょう。
特に昔は一々裁判所に出頭してしていた手続きをリモートでやることが多くなり、一層裁判所には行かなくなりました。たまに行くと、「や!裁判所に来たぞ!オレ、弁護士みたい。」とか思ってしまいます。弁護士ですけど・・・
離婚事件の関係でこんなこともしたことあります。
友人の奥様のお母様が別居しました。長年のモラハラに耐えかねたのです。話聞いてると、よくこんなに我慢しましたねって感じ。
友人はお母様とは仲が良かったけど、義理の父上とはあまり仲良くありませんでした。友人から「助けてやってくれ。」と言われたので、まず調停を申し立てましたが、話になりません。モラハラ旦那にありがちの、自分は悪いことはなにもしてないって思ってる父上。「なんで、離婚なんか迫られるんだ。」って感じで、むしろ被害者意識。
調停は成立しなかったので、離婚訴訟を提起しました。父上も徹底抗戦。
結果が気になりますか?・・・私が事件処理したんです。勝ちましたとも。
お母様は晴れて旧姓に。その後はとても幸せそうに暮らしてました。
さて、それからおよそ10年。その友人が亡くなってしまいました。悲嘆に暮れる奥様。10歳ぐらい私よりも若かったのにと、私もしばし呆然としてました。
通夜と葬儀の連絡がありました。空いてたので、両方とも参列すると伝えました。そのお母様からも連絡。元クライアントなので、粗略には扱えません。
お母様は義理の息子の葬儀なので、当然、参列します。悲しみの淵に沈む娘の傍にいてやりたいとのお気持ちも、もちろんです。ところが、別れた元夫、友人の奥様の父上も義理の息子の葬儀なので参列することになってます。
別れた夫と顔を合わせるのは仕方がないとしても、近寄ってこられるのはまっぴら。当然でしょう。
そこで、私に「ボディガードをお願いします。」とのこと。
「ボディガード!」・・・
若い人はご存じないかもしれませんが、1992年にケヴィン・コスナー主演で「ボディガード」って映画がヒットしました。ホイットニー・ヒューストンが歌った「オールウェイズ・ラヴ・ユー」って曲はグラミー賞とって、今でもちょいちょい聞きますから、若い人も聴いたことがあるかと思います。ケヴィン・コスナーが献身的なボディガード演じて、めっちゃかっこよかった。
事務員さんに尋ねました。
「オレってやっぱ、ケヴィン・コスナーに似てる?」
「先生、5年ぐらい鏡見てないんじゃないですか。」
「毎日見てるよ。」
「老眼進んでますか。」なんてツッコミが。
うぬぼれの代償は高くつきます・・・
ボディガードって言ったって、格闘技なんかしたことないし、ピストルも持ってないしとそのお母様に言うと、「先生にそんなこと期待するわけないでしょ。先生が尋問のときにさんざんいじめたから、あっちも先生の顔覚えてるでしょう。先生が傍にいるだけで、ちょっかいかけてこないはずです。」
オレって、魔除け?ケヴィン・コスナーより沖縄のシーサーに似てたっけ?
通夜には開始の30分前に葬祭場の近くで待ち合わせて参列し、ずっと傍にいて一緒に帰ってきました。葬儀にも近くで待ち合わせて参列し、ずっと傍にいて、一緒に帰ってきました。それだけ。
元夫はちょっかいかけてきませんでした。何度か目があいましたが、なに事もなく無事、終了。亡くなった友人のためにもなったかなと、しばし感慨
弁護士としての仕事じゃないけど、こんなこともしました。
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