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不倫妻は親権者になれないのか?



土曜の夜遅く、仕事を終えてようやって帰ってきました。テレビをつけるとドラマをやってます。夫婦と幼い娘の家庭、妻が不倫してます。夫は離婚するしかないと思ったけど、子と離れるのはつらすぎるので、妻の不倫の証拠を握って、自分が親権者となれるよう努力するってストーリーのようです。間違ってたら失礼。

 

 そこで、今回のテーマです。不倫妻は親権者になれないのか?

 

 この夫、裁判になったらどんな主張をするのでしょうか。

 不倫をするような不誠実な妻に子どもの養育をまかせておいたら、子どもも不誠実になるに違いないとか主張するのでしょうか。はたまた、彼氏とのデートで忙しく、子どもの面倒なんかみるはずがないとでも主張するのでしょうか。

 こんな主張が出てきたら、裁判所はどう判断するのでしょうか。

 

 不倫をしたんだから不誠実だという主張が出てきたとしても、そう言えない場合もあるでしょう。DV夫、モラハラ夫に苦しめられ続けて、つらい思いを聞いてくれる男性に心を移してしまった場合はどうでしょうか。信頼していた男性から、少し話しがしたいからと言われて話していたところ、ほとんど無理矢理という形でという事件もありました。信頼していた人に裏切られたら不誠実でしょうか。

 仮に妻が不倫をしたと、その妻に育てられた娘は必ず不誠実な人になるでしょうか。必ずとは言えなくても、不誠実な人になる可能性が高いでしょうか。そんなことを裁判で立証できるでしょう。

 こんな主張はなかなか裁判所では認めてくれないのではと思います。


 それじゃ、彼氏とのデートで忙しくて子どもの面倒をみるヒマがないはずだとの主張はどうでしょうか。現実に、毎日のように彼氏と一緒の時間を過ごして、子ども達が学校に行った後に帰ってくるのが当たり前になっている、本当に子どもの面倒をみず、ネグレクト状態だというのならともかく、1週間1度の逢瀬があったって、子どもの面倒はみられるでしょう。

 こんな主張もなかなか通らないでしょう。

 

 父母が親権を争った場合、裁判所は子どもの成長、将来のためにどっちが面倒を見た方がよいかという視点で事件を処理します。

 まだ1歳にもなってない赤ちゃんのために必要なのは、お父さんですか、お母さんですか。2歳だったらどうでしょう、3歳だったらどうでしょう。10歳では?

 他の記事でも書きましたが、日本ではよほどのことがない限り、子どもは母親のものです。たまにおむつ替えたり、たまにミルクあげるぐらいのことをしたって、他のことはみんな母親がやってます。

 おむつを替えるのはもちろんとして、ミルクを暖めて、人肌にして飲ませる。飲ませたら、げっぷをさせる。着替えさせる。着替えた衣類はすぐに洗濯機に。離乳食を作る、食べさせる。自分で食べたがる月齢になったらもう大変!手づかみで食べるわ、顔や服は食べ物でぐちゃぐちゃ。エプロンなんて何のためにしてるの?って感じ。おまけに食べ物を床に散らかして、飲み物なんか床に飲ませてる状況。食事してるのか、掃除してるのかわからない状態に。あまりすごさに慌ててお風呂に入れるとお風呂の中でなんかしちゃって大騒ぎ。

 寝かしつける。泣き続けて寝てくれないことも度々あります。「眠たいならすぐ寝てくれればいいのに、子どもって何で泣かないと寝られないのかなあ」と思いながらずっとだっこしてあやし続ける。自分も昼間の仕事でくたくたなのに、寝られない。絶望的な気分になる。やっと寝かしつける。「やっと寝てくれた。」と思って、自分も寝ようとしたところに、酔っ払って帰ってきた父親、かまいたいもんだから、頬をつついて起こしてしまう。ギャン泣きし初めて、「泣きたいのはこっちだよ!」なんて言葉も頭をよぎる。酔い潰れて寝てしまった父親の横で、それでももう一度寝かしつけようとする。

 こんな毎日を送ってきたお母さんが父親に負けるわけはありません。

 もちろん、父親が熱心なイクメンだったりしたら少しは違うかもしれません。最近、区役所の男性職員が「1年、育休をとります。」と言って、挨拶をしてきました。思わず、「ありゃま。君、子ども産むの?」とか言っちゃいましたね。1年後に一皮むけた姿を見せてもらいましょう。

 

 いずれにせよ、子どもの成長と将来のためにはどっちが面倒をみるべきか、これが裁判所の視点です。不倫妻は養育をおろそかにしますか、不倫妻は子どもの将来を心配しませんか、不倫妻は当然に子どもを虐待しますか。

 んなことはないでしょう。

 

 ですから、あのドラマの父親の努力はムダなものにしかならない可能性が大きいでしょう。いくら不倫の証拠を積み重ねても、妻が不倫の事実を認めても、母としてきちんと子どもを育てていれば、不倫妻は親権者になることができるでしょう。

 

 あのドラマは父親が弁護士に相談していたようですが、私なら「まず無理です。」と言っちゃうでしょうね。でも、それじゃドラマになりませんよね・・・



 


 

木村法律事務所 03-5524-1552

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